小児はりとは
刺さない!気持ち良い!魔法の様な小児鍼
”小児はり”は日本で発祥し、主に関西地方で発達した子供の為の治療法です。国民皆保険制度が整備される以前は、夜泣きなどの代表的な小児神経疾患の他にも様々な不定愁訴に大変効果があるとして盛んに行われてきました。
そして現代。生理学や皮膚科学の発達に伴い、改めて❝小児はり❞が注目されています。
小児はりの最大の特徴は刺さない!痛くない!気持ち良い!という点です。羽毛でなでられたような心地の良い刺激であるため「もっとして~」とアンコールする子供も少なくありません。
子供は大人と違い肉体・精神共に日々劇的に成長しています。発達段階においては病気にかかりやすく、また病状も変化しやすいです。家庭環境や学校環境の変化にも大きく影響を受け、それは時として身体の不調として表出します。
一方で、子供は生命力が旺盛であり外的刺激に非常に敏感です。小児はりは、この子供の旺盛な生命力と感応を利用し、皮膚の上を優しくなでる微細な刺激を与えることで血流の改善、免疫機能の活性化、自律神経の安定、疲労・ストレスの解消を目的とします。
子供の健康トラブルが軽減されると子育てが楽になります。小児はりを通じて子育てをさらに楽しいものにしてもらえたら嬉しいです。
どうして良くなるの?
小児はりは、ストレスの軽減と疲労回復効果があります。
また、リラックス作用により自律神経の安定をもたらしてくれます。自律神経が安定することにより血管、神経、内臓といった身体機能を高め、子供を良好な健康状態である「快食・快眠・快便」へと導きます。
加えて、子供一人一人に応じた適切な部位やツボを選び正しい加減で刺激する事で身体の生理作用を引き起こしたり逆に鎮静させたりします。
小児はり、子供が本来持っている自己治癒能力を最大限に引き出すことで様々な症状に対応可能なのです。
小児はりは皮膚の健康法
小児鍼は皮膚の健康法です。近年の皮膚科学では身体内部の肉体的・精神的異常は皮膚に投影されることが判明されつつあります。小児はりは異常のある皮膚を刺激して健康な状態にすることにより身体の不調を取り除きます。
小児はりとオキシトシン
❝オキシトシン❞は「癒しのホルモン」としてメディアでも注目を集めています。最新の研究では皮膚に適切な外的刺激が加えられることにより、中枢神経のみならず皮膚そのものからも“オキシトシン”が分泌されることがわかっています。
オキシトシンには「鎮痛作用」「抗ストレス作用」「成長促進作用」「免疫力の強化」「集中力のアップ」など様々な利点が報告されています。適切な鍼刺激を行う小児はりは、そんなオキシトシンの分泌も大いに期待できると言えるでしょう。
小児適応疾患
・夜泣き、睡眠障害、夜驚症 ・疳の虫、子供のイライラ ・叩く、かみつく
・アトピー性皮膚炎、湿疹 ・便秘、下痢、夜尿症 ・頭痛 ・出べそ
・鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、花粉症 ・小児喘息、気管支炎
・発達障害、自閉症 ・チック、吃音症 ・てんかん
・食欲不振、発育不良 ・起立性調節障害、不登校
※その他、上記以外の疾患に関しましてもご相談承っております。
疳虫(かんむし)について
疳虫とは乳幼児特有のストレスからくる諸症状です。
キーキー声・夜泣き・夜驚(驚いて飛び起きる)・奇声・不機嫌・むずかり・イライラ・噛みつく・寝つきが悪い・食欲がない
このような症状がみられる場合はぜひご相談してください。
皮膚への気持ち良い刺激が自律神経を安定させ。心と身体を落ち着かせます。
治療の流れ
施術時間・施術回数
始めに、お子様の症状に関してお話を聞いたのちに施術に入ります。お子様の症状や年齢、体質に合わせて適切な部位に心地よい刺激を加えます。初診に関しましては15分程お時間いただきます。
1診察 問診や聴診、顔色やお腹の具合を確認し観察します。
2施術 診察をもとに小児はりを行います。
3終了 施術前後の変化の確認。家庭での必要なケアがあれば提案させていただきます。
一回の施術時間は症状5分程度です。
小児は成長するエネルギーにあふれていますが、器は小さいので一度にできる施術量は限られます。ですから最初は間隔を詰めて来られてください。症状が安定すれば徐々に期間を開けていきます。
アトピー性皮膚炎 経過良好症例(画像あり)
アトピー性皮膚炎と小児はり
アトピー性皮膚炎は、皮膚の状態が良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の症状です。
強いかゆみがある場合は、湿疹を伴います。原因としてはアトピー素因(アレルギー体質)あるいは皮膚のバリア機能の低下が挙げられます。
アトピー性皮膚炎の患者さんに対しては「かゆみの減少」「睡眠の質の改善「食欲増進」「ストレスの解消」「自律神経の安定」「皮膚のバリア機能の強化」等を目的に鍼灸を行います。鍼を行うと一時的にではありますが不思議とかゆみが引きます。
子どものアトピー性皮膚炎の場合は、皮膚が大人の半分から3分の1程度しかないため、そんな子供の皮膚がダメージを受けているという事は大人よりもずっと繊細な施術が求められます。故に軽い刺激である小児はりが必要となります。
症状の特性上、ほぼ間違いなく良くなったり悪くなったりを繰り返します。しかし、経過が良好の場合は少しずつ悪化の波が小さくなり症状が安定し始めます。体質の改善のためには長期(半年~1年以上)の治療継続が望ましいです。